【インド奮闘記】本質はシンプルかも

こんにちは、神山です。
昨年末から、バンガロールに拠点を持つ日系企業様のお仕事を少しだけお手伝いをさせていただいています。今回は、そこで感じたこと、勉強させていただいた事をお話ししたいと思います。

海外に進出する企業の多くは、最初から大所帯で進出することは少なく限られた日本からの出向者(出張者)と、最低限の現地スタッフで会社を設立します。中には、自動車会社のように、広大な土地に新工場を建設し、操業を始める企業様もあります。

ただ、多くの企業様は前者ではないかと思っています。小さい所帯で立ち上げますので、そこで使用する様々な仕組みやシステムも、その人数をカバーできる範囲で構築しているケースが多いです。短い期間で、必要最低限の仕組みを作り、業務を回すことが最優先だからです。グローバルシステムが採用されていますが、ローカルスタッフ用のシステム等、その拠点業務を回すためのシステムは、苦労されながら各拠点で準備しているのが実態ではないかと思います。

多くの企業様は、企業活動が順調に動き出すと、日本からの出向者(出張者)、現地採用のローカルスタッフや日本人等、社員も増え、役割分担も明確化されてきます。(ある意味縦割りになります)この頃になると、最初に作り上げた仕組みではカバーできない事、人海戦術で対応せざるを得ない事が急激に増えてきて、本来やりたいことが後回しになってきてしまいます。

お金と時間をかければ、色々な解決策はあると思います。また、現行業務の流れを意識せず、何でもできそうなパッケージを導入してしまう方法もあると思います。今回は、変化の激しい海外拠点において、その選択は得策だとは思えませんでした。

私たちは、自分たちが出来ることに対して背伸びすることなく現行業務の流れを活かしながら、”人海戦術の部分を自動化する”、”データを整備して分析しやすい環境を作る” この2点をご提案させていただきました。

課題意識を持たれていた社長さんにもご理解をいただき業務分析を行い、新しい仕組みのご提案をさせていただき、いよいよ仕組みづくりに入ろうという段階になりました。

今回のブログでは、そのシステムの中身とか、特徴をお話ししたいわけではありません。縦割り組織の中で、各業務担当者の方が、少しでも効率化を図ろうと悪戦苦闘している姿に触れながらその方たちの目線に合わせて、業務を分析したり、新しいやり方を模索したりすることが、私たちITエンジニアが本来一番注力しなくてはいけない事だと思います。どうしてもエンジニアは、専門知識を盾に、どこか上から難しい事をお客様に説明し満足してしまう傾向があります。今回の仕事を通して、何が基本なのか、何がお客様にとって最優先なのか、その事を改めて思い出しました。そのお客様、担当者の方の目線で物事をとらえられるか、そしてその中で最適なことが提案できるかが私たちITエンジニアに求められている事なのですね。(とても当たり前のことですが)

私は、1回のシステム構築で100%を目指さなくても良いのだと思っています。
最初から、段階的に進めることを意識し、お客様のペースに合わせ、担当者の方の慣れ具合に合わせて、一歩一歩馴染んだシステムに出来ればと思っています。

私は、インドビジネスに関わる前の15年くらい、製品開発に携わっていましたので製品の機能を考え、新しい仕組みを提案することを専門としていました。でも、その仕事の中でも、今回感じたような担当者の方の目線を意識しなくてはいけないと改めて実感しました。まだ、この仕事は始まったばかりですが、よりお客様に馴染んだ仕組みをご提供したいと思います。

これを母国語、習慣、考え方の違うインドエンジニアと進めていくのが大変でもあり、楽しみでもあります。また新たなブログが書けそうです。