「電子文書の時刻証明、国が事業者認定 デジタル化後押し」
今年3月、日本経済新聞にこのような見出しで記事が掲載されました。
総務省が、電子データの作成日時を証明する「タイムスタンプ」を発行する事業者、つまりはタイムスタンプ事業者を国として認定する制度を始めると発表しました、という記事です。
国の認定を受ける事業者が発行する「タイムスタンプ」。
パソコンでファイルを作成したときに記録される「タイムスタンプ」。
同じ「タイムスタンプ」と呼ばれるものでも、用途や仕組みそのものが異なる為、その違いや使い方などを確認してみましょう。
普段使っている「タイムスタンプ」
そもそも、「タイムスタンプ」って、ファイルを作成したり変更したときに記録される日時っていう認識ですよね。
ファイルなどの電子データに対して、何かしらの作業をおこなったのはこの日時です
と現わしているのですが、この「タイムスタンプ」はパソコン等で任意の日時に変更する事もできるため、あくまでも目安として扱われています。
よって、電子データに対し、自動で(勝手に)スタンプされるもので、かなり緩く使い勝手は良いがそこまで正確ではない「タイムスタンプ」。
皆さんも気付かないうちにこちらの「タイムスタンプ」は普段から利用しているはずです。
証明するための「タイムスタンプ」
先述の、パソコン上で付与される「タイムスタンプ」とは異なり、電子データが作成された時刻を正確に証明するのが、冒頭紹介した記事に記載されている『時刻証明』であり、国が認定する事業者が発行する「タイムスタンプ」を指します。
現在は、「タイムビジネス信頼・安心認定制度」という、「一般財団法人 日本データ通信協会」が運用している制度があり、この制度により認定を受けている事業者がいます。 |
この「タイムスタンプ」は、対象の電子データ(ファイル)が、確かにその日時に存在したことを証明する『証明書』のようなものとなります。
証明できるのは、以下の2つ。
・記録した時刻に対象の電子データ(ファイル)が存在していたこと
・時刻が記録された以降、ファイル内容が変更(改ざん)されていないこと
こうした証明を可能にするのが、認定事業者が発行する「タイムスタンプ」なのです。
認定事業者が発行する「タイムスタンプ」は、パソコン内のシステム時刻を使う「タイムスタンプ」と違って、その証明を行う際、タイムスタンプに記録されている情報と対象の電子データの情報を、『ハッシュ値』と呼ばれる電子データの指紋のようなもので比較することにより、記録された時刻以降、改ざんされていないことをチェックしています。
タイムスタンプの活用
当社の電子公証サービスでも、この「タイムスタンプ」と電子証明書を使用した「電子署名」を電子データに付与し、存在証明、非改ざん証明をおこなうサービスを展開しています。
政府が押し進めているデジタル化ですが、今後もこうした技術が重要な要素となっていくのは間違いないでしょう。
少しでもご興味のある方は、一度、弊社セミナーにご参加ください。