【インド奮闘記】インドでの採用と入社式

こんにちは。神山です。

3月後半から4月初旬の期間、インドから一時帰国をしていました。ちょうど桜の時期とも重なり、お花見をし堪能できました。また、4月1日は多くの企業が入社式を行い新しい社員を受け入れるかと思います。弊社も4月1日が入社式でして、私も部長の立場として入社式に出席をしました。希望を持って会社に入ってくる新入社員の姿を頼もしく見てきました。彼らも来月には私のいるSCII(インド)に研修に来ます。受入れの準備をしながら楽しく待っています。

さて、今回は入社式ということで、私たちSCIIインドでの採用と入社式についてご紹介させていただきます。

私たちの会社はIT企業になりますので、ITエンジニアの採用をしています。インドでは、ITエンジニアを目指す学生も、その学生たちを採用しようとする企業も非常に多く少しでもいい条件で採用できるかが、各企業人事担当の大きなミッションになります。

インドには、日本でいうリクナビやマイナビのようなサイトはありません。私たちが採用をしたいと希望する大学に対して、一次試験の受験条件を提示します。受験条件は、インドで実施されている統一テスト的なものの点数の基準や初任給であったりと企業によって様々です。

弊社では2種類の適性試験を受けて貰いますので、それを大学に伝えます。大学のキャリアセンターの担当が学校内にその条件を公表し、試験を受ける学生を集めてくれます。直接学生が企業へエントリーシートなどを送付する日本とは違い、大学を介して受験者を集います。

受験を希望する学生が集まりましたら、大学の教室をお借りして一次試験を実施しますが、ここで大切な事は、他社より早く試験が実施できるか、そして、少しでも早く採用オファーを出せるかになります。

インドで超有名なIT企業は、全国規模でオンライン試験を実施します。なので、私たちのような企業も常に大企業との競争になります。私たちが希望するタイミングで採用試験が出来るかは、その大学といい関係を築けるかが重要になるため採用活動だけでない、日頃の関りが大切になってきます。

大学側が集めてくれる一次試験は、60名~100名くらいのことが多いです。その人数を相手に適性試験を実施します。適性試験が終わると、すぐに採点をして合格者を大学に通知します。

二次試験は、こちらから指定した日に私たちの会社へ来ていただき、実施します。主な内容は、技術的な試験とグループディスカッションを含む面接になります。私たちは、コンピュータサイエンス、インフォメーションサイエンス出身の学生を主に採用していますので、ここでは学生時に学んだ技術面のレベル確認、英語によるコミュニケーション力、論理的思考があるか等を着目点にして、合格者を決めています。

この試験に合格した学生に対し、8月1日を入社日としたオファーレター(内定通知のようなもの)を出します。

ここまでは日本と採用活動の方法とは違っていながらも流れは似ているのでわかりやすいかと思います。日本と違っているのは、入社式です。

オファーレターを出し、承諾したにも関わらず入社式当時に来ない学生がいます。ある程度は織り込み済みですが、”なぜ事前に連絡しないのか”といつも不思議に思っています。日本では内定承諾をしたらその会社に入社するのは決まりごとですよね。これもインドでの文化なのですかね?

そして、驚きは入社式の顔ぶれです。

日本では入社式は入社する本人のみの参加が基本かと思います。ですが、ここでは両親はもちろん、兄弟も参加する人もいます。時々、赤ちゃんもいて既に子供がいるのかと思うと兄弟の子供だったりします。インドでは、家族の関係が昭和初期の日本と同じで、非常に強く大家族であることも関係していると思のですが、子供たちの就職は、家をあげてのお祝い事なのかも知れません。

入社式の内容は、お祝いの歌や採用証明書交付、弊社役員などの挨拶、新入社員代表のあいさつなどで日本と比較的似ています。その後、家族も含め昼食会があり、写真セレモニーをして解散となります。

採用活動もそうですが、色々な局面で親の意思が強く反映されます。近頃の日本の学生の中にも、親の意向を気にする。子供に対して異常に関わろうとする親もいますが社会人になったら、自分の目や耳で確認し、よく考え、色々な事を決めていけると良いなと思います。困ったときに、経験豊かな両親や先輩に相談するのは良いと思いますが、”どうしたらいいですか?”的な発想にならないと良いと思っています。

インドの学生、社会人もそうですが、自分の考えはしっかり持っており、日本人以上に自分の意志は強くあり、こだわりも強いと感じています。ただ、就職と結婚に関しては、両親(家族全体)の影響が色濃く残っているのが、また不思議な感じがします。

日本では薄れてきてしまった良き風習、習慣が、ここインドにはまだ残っているということかも知れません。

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