こんにちは。内田です。
インド人の「No Problem」の意味合いが日本人とは異なるという話を前回お話しました。そのことについて、もう少しご紹介したいと思います。
インド人の「No Problem!」には3種類ある
これは、インドに長年住んでおられる日本人の方の講演を聞きに行った際に伺った話ですが、インド人の「No problem」には3種類あるというのです。
- 問題意識が欠如しており、問題そのものを認識していない
- 本当に問題解決の対応案を持っていて解決が可能だと考えている
- 問題を認識しているか、ジュガードで対応する予定だ!!
1つ目は、そもそも何がどうして問題なのかが見えていないため、「問題ない」と言っているパターンです。このような意味で話をしている際につい、「何でわからないの!?」と相手を責めてしまいがちです。ですが、弊社のインド担当者にいろいろと話を聞いてみると、インドと日本では製品に対して求める品質レベルがずいぶん違っています。(日本はかなり高い)。求める品質レベルが違えば、見るべき視点、目の高さも当然違うため、こちらにとっては問題でも、相手にとっては問題ではないということも簡単に起こり得ます。
2つ目、これは日本人が「問題ない」という際の感覚と近いのではないでしょうか。
そして、とても興味深いのが3つ目の「ジュガードで対応する予定」というものです。
インド特有の考え方「ジュガード」とは
では、「ジュガード(Jugaad)」とはなんでしょうか。これは日本人にはなかなか理解できないかもしれません。インド特有の考え方でインド人の問題に対する接し方・考え方を表すヒンディー語で、『斬新な工夫による応急措置』という意味だそうです。Wikipediaを参照しますと、独創的な方法による間に合わせ、あるいは急場しのぎとしての弥縫策を指し、規則を上手い具合に曲げての解決、はたまたそのような解決に役立ち得るあらゆる手材料を指す。また、現実としてある障害を何とかしてしまう、あるいは乏しい手材料だけで打開してしまう―といった文脈における創造性を意味する言葉としても使われている。と記載されています。
物資が少ない環境のなかで、あるものでどうにかしようとあれこれ創意工夫をする、というおもしろい考えですね。実際インドでの話を聞くと、例えば車のミラーが故障してしまった時に、私たちであれば同じ色のものを取り寄せて付け替えてもらいます。ですが、彼らは同じ形であれば色は気にせず修理します、使えれば「問題ない」ということのようです。ビジネスシーンでもこのような対応をすることが多々あるようで、そんな場面に直面した時に、彼らには「ジュガード」という考え方があるということがわかっていれば、付き合い方も変わってきます。つい、私たち日本人にはない発想なので、「間違っている」と注意してしまいそうですが、彼らの創意工夫だと思うと楽しく思えるかもしれないですね。
このように、日本人にはなかなか理解できない、彼らインド人特有の考え方に意識を向けることも、異文化理解の観点からはとても大切です。
弊社では、グローバル人材育成研修を実施しております。
社内のグローバル意識の底上げをしたい、現場感のある研修環境を求めたい、こう言ったご要望にお応えできる研修プログラムをご提供します。