【インド奮闘記】マンガロールの大学で〇〇を見た!

こんにちは。神山です。

少し前の話になりますが、マンガロールにある
Sahyadri College of Engineering & Management という工科大学の
理事長、学長などから招待を受け、大学の取り組みを視察させていただきました。

まずは、簡単にマンガロールをご紹介します。
私たちがいるバンガロール(近郊のトムクール)は、
デカン高原の上(標高900m前後)に位置していますが、
そのデカン高原を西側に降りた先にあるアラビア海に面した
カルナタカ州唯一の港街がマンガロールになります。

<google mapより>

カルナタカ州にある企業が、船を使ってアラビアやアフリカ方面に輸出をする際には、
この港が活用されています。
デカン高原の下に位置する街ですので、湿気があり、日本の気候に似ている感じがします。
建物なども、バンガロールとは違い、瓦屋根の家が多く見受けられました。
そこで驚かされたのは、高層マンションが非常に多く、現在もどんどん建設されていることです。
インドの方にその理由を聞くと、マンガロールはドバイで仕事をしている人達が多く、
裕福な家庭が多いことから、高層マンションが売れるからだと言っていました。

普段乾燥している地域に住んでいる私にとっては、緑の多さ、湿気、瓦屋根の家 等
ちょっと日本と雰囲気が似ているな と親近感が湧きました。

さて、本題に入ります。
Sahyadri College of Engineering & Managementは、工科大学ですので
エレクトロニクス、建築、機械、そして、コンピュータサイエンスなど、
インドでも特に人気のある学部をそろえています。
この大学の特徴は、色々なタイプの学内企業を立ち上げているという事です。

理事長先生の話しによると、インドで超優秀と言われている大学でさえ、
その大学に入ること自体を目的とし、興味ある学部ではなく、
違う分野の学部で学ぶことを選択する学生が多いそうです。
そしてその結果、優秀であるにも関わらず、学んでいる分野に興味が持てず、
なかなか結果を出せないという状況があるようです。これは、この大学でも同じでした。

そこで、学生が日々悩んでいる事や、
実現してみたいと思っていることの、受け皿を用意したい!
それが、学内企業の最初の一歩だったようです。

また、多くの大学でもそうですが、企業が求めている人材を送り出すために、
色々な形で企業連携を図ることで即戦力となる学生の育成に力を入れています。
その為には、企業がどのような学生を求めているか、
どんな技術が身についていると即戦力になるか 等を知る必要があります。
学内企業を通し、学生たちは自ら会社を経営することによってそれらを学び、
より実業に近い形のカリキュラムなどを構成できるともおっしゃっていました。

良い企業に排出することが目的となっているカリキュラム構成に対し、
良い悪いの議論はあると思いますが、折角入学した学生に、
少しでも自分の夢を叶えてもらうために、色々な制度、場所を準備している
大学の姿勢には感心しました。

また、この他にもインドの工科大学では、3年生でインターンシップ、
4年生で企業とのプロジェクトが卒業条件になっているので、
色々なプロジェクトが実施されています。
私たちも、色々な大学と産学連携のよる研究開発プロジェクトを持っています。
この話は次回以降、お伝えできればと思っています。

インド自体が多様性の国と言われています。その中で育った学生たちも多様性に富んでいます。
彼らは、私たち日本人が少し考えてしまうような事でも、まったく躊躇なく行動を起こします。
また、大学院に進む場合も、就職する場合も、国の概念はあまりないようです。

今、日本で盛んに言われています”グローバル感覚を持った人材” が、
当たり前のように育っている という事だと思います。

海外で生活し、仕事をしていると、日本の常識が窮屈に感じ、
既成概念、暗黙のルールなど色々な力を発揮するための壁もあるように感じます。

出来るだけ若いうちに、日本の常識が通じないところで生活してみることをお勧めします。
弊社新入社員は、入社後3か月、このインドで生活し研修を受けます。
本人たちが意識している以上に、とても貴重な経験だと思っています。
私たち研修企画側としても、何年か後に、
グローバル環境で活躍できる人材が育ってくれればとてもうれしく思います。



次回は、産学連携による共同研究プロジェクトをご紹介します。