クラウド導入率はどのくらいだろう
新型コロナウィルスが猛威をふるっている2020年、今では当たり前のように「言葉だけは聞く」クラウドですが、実は日本ではあまりクラウドの導入率は高くありません。
ガートナー ジャパン株式会社が、2020年1月に実施した調査によると、クラウドの導入率は様々なサービスを平均すると約18%だそうです。
世界的に流行しているのに、日本だけ導入が未だに低いままなんですね。
今回は、そんなクラウドについてお話をしていきたいと思います。
1.クラウドって安いの?
結論から言うと、「ケースによる」です。
自動車を使って移動する、という例で考えてみましょう。自家用車を購入する、タクシーで移動する、カーシェアを利用する・・・
いずれの選択肢もケースによってはメリットを出せますよね。
ちょっとした移動だけならタクシーでもいいですし、1か月だけ出張ならカーシェアで成り立ちますし、自家用車なら緊急時の移動もできます。
ですが、自家用車は維持費が高いですし、タクシーも何十回も利用すれば莫大なコストになってしまいます。
クラウドも同じで、使い方によっては結構なコストがかさんでしまうのです。
最近よく聞く「クラウドは安くない!」は、調べてみたら実は24時間365日連続稼働されているとか、莫大なデータを常にクラウドとやり取りしているとか、そういったケースがほとんどのようです。
クラウドを常に使い続けていれば、オンプレミスで稼働させるより高くなりますし、システムの稼働状況によっては、オンプレミスの方が安くなることもしばしばあります。
クラウドが最もコストメリットを出せるのは効率良く稼働ができたときですので、「何を目的にクラウドを使うのか」が、コストメリットを出す最も重要なポイント、ということですね。
コストメリットを出した事例は
当社が開発したクラウドの業務アプリケーションで、コストメリットを最大限に引き出した例としては、映画チケットサービスの事例があります。
映画の場合、ゴールデンウィークや夏休み前、年末年始など、時期によってお客様からの検索やチケット購入などのトランザクション量が大きく変動するので、大型の休日がある時期には、予め通常よりもサーバを増やしてトラフィックに余裕を持たせ、通常時はサーバ稼働台数を抑えることで、過剰なコストをかけないという非常に効率の良い稼働を行っています。
2.クラウドの真のメリットとは
総務省の平成28年度情報通信白書によると、企業がクラウドを利用する理由は以下の通りです。
1位.資産・保守体制を社内に持つ必要がない
2位.どこでもサービスを利用できる
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5位.情報セキュリティが高くなるから
(以下略)
1位の「資産・保守体制を社内に持つ必要がない」というのはほぼ全ての企業の課題と言えますね。これを解決できるというのは業務効率化という側面でも非常にメリットがあると思います。
2位の「どこでもサービスを利用できる」という理由も、コロナ禍では大きな選択ポイントになったと言えます。在宅勤務などのテレワークが必須になっている現状では、
「場所や国を隔てていてもインターネット環境さえあれば仕事ができる」
ことが、すでに業務遂行の大前提となっていると思います。
一方で、5位の「情報セキュリティが高くなるから」という理由も挙げられています。「えっ?なんで?クラウドって、なんか外に置くようなイメージあるからセキュリティ面は怖い」と思う方もいると思います。
ですが、近年ではむしろサーバルームに置いておく事がリスクになり、クラウド化することがリスク回避になり得るのです。
例えば、Microsoft Azureではデータセンター内で複製された3つのデータを保持しており、更に地域を分けることで、災害によるデータ毀損が発生しても、素早い復旧を行うことができます。
これが自社サーバルームだった場合、必ず行うべきセキュリティ対策や災害対策に多大な時間と労力、そしてコストがかかってしまいます。
クラウドにサーバを設置するということは、セキュリティの観点、災害対策の観点からもリスク回避となり得るのです。
と、ここまでご覧になってお気づきの方もいるかもいるかもしれませんが、そうです、実はコストメリットについてはあまり感じていない企業様が多いんです。
コスト以外に大きなメリットがあるというのが近年のクラウドの特徴ですね。
3.移行するにはどうしたら・・・
さて、ここまでお読み頂いて
「ちょっとウチもクラウドへのマイグレーションを検討してみようかな…」
と思って頂けたら幸いですが、具体的に自社のオンプレミスのシステムをクラウドに移行するにはどうしたらいいんだ?と思われる方もいらっしゃるかと思います。
当社では、通常のマイグレーションサービスの一環として、
「オンプレ→オンプレ」
のマイグレーションだけでなく、
「オンプレ→パブリッククラウド」
へのマイグレーションをご支援するサービスも行っております。
■基幹システムのオンプレミスからMicrosoft Azureへの移行
観光業界のお客様で、今までオンプレミスだった基幹システムをクラウドにマイグレーションし、レスポンスの良いサービスの提供と臨機応変なサーバの増減を可能にしました。
日本国内のデータセンターを活用し、万一の災害時でのデータ消失を防ぐBCP対策も施しています。
■オンプレミスで利用していたOracle DBをMicrosoft SQL Databaseへ変更
音楽業界のお客様では、データベースをオンプレミスからクラウドへマイグレーションいたしました。
楽曲のデータは常に増え続け、ランニングコストは増える一方だったのが、データベースをクラウドのSQL Databaseに移設することで、保守コストを約3割削減されています。
このように、当社では様々な業務システム、およびデータベースのクラウドへの移行実績がございます。
4.移行をご検討されるにあたって
システムの移行をご検討の際は、まずは移行の難易度などを、事前にご確認されることをおすすめいたします。当社では、
「マイグレーションフィット分析サービス」
「マイグレーションギャップ分析サービス」
というサービスメニューをご用意しております。
■マイグレーションフィット分析サービス
システムマイグレーションの向き不向きを明確化します。
マイグレーションをご検討されているのであれば、まずはこのサービスをご利用ください。簡単な診断であればWebからでも確認が可能です。
Webからの確認はこちら
■マイグレーションギャップ分析サービス
システムマイグレーションを実施するために、課題となる部分とその対処方法、必要な各種コストを分析するサービスです。マイグレーション計画の立案にご活用ください。
マイグレーションの分析サービスのお問い合わせはこちらまで、お気軽にどうぞ
まだまだ収束の気配が見えない新型コロナウィルスの脅威ですが、近いうちに沈静化することを想定して、テレワーク含めた勤務形態の再検討や業務の進め方の再構築など、様々な変化が出てくると思います。
その時にシステムは「やっぱりクラウドからオンプレに戻したい」という考えも出てくるかもしれません。
このような変化に対し、臨機応変に選択することができるのが、クラウドの真のメリットなのではないでしょうか。
単なるセキュリティの強化や災害対策だけでなく、新型コロナウィルスにも対応できるITインフラを、是非クラウドで実現してみませんか?
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。