クラウド化への動き
今年2021年は、9月にデジタル庁が設置される予定です。
新聞によると、デジタル庁主導で2021年度末までに「ガバメントクラウド」(政府クラウド)を整備し、2023年から順次移行を進め、2025年度までに原則全ての地方自治体を対象に、行政システムをクラウド化する方針との報道もありました。
民間企業では、情報通信白書令和2年版の「企業におけるクラウドサービスの利用動向」で、クラウドサービスを利用している企業が毎年増加傾向にあることが分かります。
さらに、コロナ禍によるテレワークの拡大の結果として、自宅やサテライトオフィス等の社外からのアクセスが増加。社内ネットワークの安定維持のためにもクラウド化は必然。情報システムをクラウドへ移行する流れは、 今後も加速していくものと思われます。
オンプレミスの情報システムをクラウドへ移行することにはデメリットもあるものの、クラウド化することのメリットの方が多いため、このように官民ともにオンプレミスからクラウドへの移行を積極的に進めています。
クラウドへの移行を検討するにあたって
情報システムのクラウド化に失敗しないために、これらの4つの検討事項を把握しておきましょう。テレワーク時代に即したクラウド移行にするためにも、しっかりとした事前の検討はとても大切です。
「移行対象の決定」
「計画の決定」
「クラウド移行の戦略」
「結果の検証」
■その1「移行対象の決定」
いつ、どのシステムをクラウドに移行したらよいか、を検討しましょう。
いつ
リース期間切れなどサーバ更改のタイミング。
システム再構築などアプリケーションに大幅に手を加えるタイミング。
データベースなどのミドルウェア製品を別な製品に乗り換えるタイミングでも、クラウドへの移行を検討する、良い機会です。
どのシステムを
情報システムにはクラウドでの運用に向いているシステム、向いていないシステムがあります。
向いていないシステムとしては、
×図面等、サイズの大きいファイルのやり取りがある
×他システムとの連携が多い など
このようなシステムを、特にパブリッククラウドで運用すると、クラウドの特徴である従量課金によって毎月の利用金額が高くなり、コスト面でのデメリットが大きくなってしまいます。
向いているシステムとしては、
〇BtoCのように不特定多数のお客様からのアクセスがあることが想定される
〇アクセス数に時期的な変動が大きい
〇データの流れとしては最下流のシステムで、主に上流システムからの受領データを表示/照会するもの など
システムへのアクセス数の変動が大きい場合、クラウドであればサーバの増減を臨機応変に運用できるので、大きなメリットと言えるでしょう。
特にオススメは
〇事業部ごとや業務ごとにサイロ化されてブラックボックス化したシステム
は、当社が特にクラウド化をオススメしたいシステムです。
当社は30年にわたるRDBMSの豊富な実績を持つ、データベースのプロフェッショナル集団です。サイロ化された情報システムを同じクラウドに移行しておくことで、当社のデータベース・コアテクノロジーをフル活用し、データを連携することができます。いままでバラバラだったデータを連携することは、DXへの第一歩となります。
■その2「計画の決定」
いつ、どのシステムをクラウドに移行するかが決まったら、次は計画の策定です。まずは、クラウドに移行する目的あるいは動機を把握して、ゴールを想定しましょう。
対象とした情報システムごとに、業務面、システム面でのゴールは異なってくることも多いと思います。サーバ更改を迎えたシステムであれば、サーバメンテナンスの人的負荷が減ることが目的かもしれませんし、レガシーシステムであれば、クラウド移行する際に最新技術を取り入れて、ユーザーインターフェースの最新化をはかることが目的となるかもしれません。
次は想定したゴールへのアプローチを決定します。
最適なクラウド移行先の選定や、ネットワークを含めたインフラの設計、移行作業へのアプローチの決定が必要となります。
アプローチとしては、アプリケーションやシステム環境をそのままクラウドに移行するアプローチの「リフト」と、アプリケーションをクラウドネイティブな環境へモダナイゼーションするアプローチの「シフト」の大きく2つに分けられます。 目的に沿ったアプローチを決定しましょう。
■その3「クラウド移行の戦略」
移行する対象と計画を策定したら、クラウド移行作業のための戦略を検討し、実装へのプラン策定を行いましょう。
クラウド移行には様々なIT関連企業からフレームワークも出ていますが、移行先が限定されてしまったり、方法が画一的になってしまったりすることもあります。できれば、想定したゴールへとつながる理想的な戦略を検討/決定しましょう。
計画時に決めた、ユーザー要望を取り込む/取り込まない、アプリケーションの改修はしない/最小限/大幅/再構築、これらの方針ごとに、取るべき戦略が違ってきます。
クラウド移行の戦略
「リホスト」
アプリケーションを変更しないため、低コストで早期実現が可能。
「リファクター」
アプリケーションの再パッケージングであり、プログラムには必要最小限の変更のみ加える。
「リビルド」
クラウドネイテイブなテクノロジへ進化させるため、アプリケーションを再構築する
「リアーキテクト」
クラウドプラットフォームで効果的に機能させるため、プログラムには大幅な変更を加える
当社では、ビジネスの主導者や移行の目標に合わせて戦略を立案します。たとえば、機能の変更を直ぐに必要としないアプリケーションはリホストに留め、より複雑でビジネスに不可欠なアプリケーションは、クラウドネイティブな形へモダナイズする等、複数の戦略を組み合わせて、最適なプランを実現します。
■その4「結果の検証」
クラウド移行後に、ゴール設定で決めた成果が出ているかを確認しましょう。
コスト面、運用面、ネットワークトラフィック状況、資産計上不要による会計面などなど。
エンドユーザーの使い勝手の確認も必要です。新しいインフラ環境に相応しい、使いやすい情報システムになっていれば、エンドユーザーがシステムに費やす時間的なコストも削減され、働き方改革にもつながります。
使い勝手の良い情報システムを使っていただくことで、更なる前向きな改修要望も出てくることでしょう。
下記の事例はWindows/Java・Oracleのシステムを、Microsoft Azureに移行し、データベースをSQL Serverに乗り換えた例です。
脱Oracleによってコスト削減とBCP要件を実現し、レガシーアプリケーションをAzureプラットフォームへモダナイズすることでユーザーの使い勝手を向上させることができました。
お問い合わせ
テレワーク時代のITインフラとして、ぜひクラウド化をご検討ください。
当社では、移行対象の検討のサポートから、計画決定への支援、クラウド移行戦略のご提案、移行の実作業、運用サポートまで、ワンストップで貴社のクラウド化のお手伝いをいたします。
クラウド移行に関するお問い合わせは こちらまで、お気軽にどうぞ
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。