0. はじめに
AIへの注目が高まるにつれ、ビッグデータの活用に対する注目もますます高まってきました。今回はその中でも予測分析に着目し、予測分析とは何か、予測分析を行うにはどんなものが必要なのかを書いていきます。
目次
- 予測分析とは
- 予測分析に必要なもの
- 終わりに
1. 予測分析とは
予測分析とは、その字の如くデータを分析することで将来どういったことが起こるのかを予測することです。手法として機械学習や統計モデリング、データマイニングなど様々なものがありますが、長くなるのでここでは割愛します。
予測分析を行うメリットには、以下のようなことが考えられます。
- 顧客の行動を把握し、分析することで効果的なマーケティングを行うことができる
- ネットワーク全体を効率的に監視することで不正アクセスを検知しやすくなり、セキュリティ強化を図ることができる
- 顧客の行動を把握し、需要を予測することで在庫を適切に管理できる
注意点としてはあくまでも予測であり絶対ではないため、過信すると損失を出す可能性があります。精度の高い予測できれば、それは未来予知のようなものでしょう。 しかし予測があたるかどうかはそのときにならないとわかりません。
業務に用いる場合はそのことを念頭に置いて予測分析を行う必要があるといえるでしょう。
2. 予測分析に必要なもの
続いて、予測分析を行う上でやるべきこと/必要なものをご紹介します。
A. 解決したい課題/予測分析の目的の明確化
どのようなデータを集めるべきかわからなくなってしまうのを避けるため、どのような課題を解決したいのか、どのような目的で予測分析行うのかをあらかじめはっきりさせておくとよいでしょう。
これらを具体的にすることで今後どのような行動を取るべきか、またゴールまでの進捗も評価しやすくなります。
B. 質の良いデータを集めるための仕組み
Aで定めた課題の解決/目的の達成のためには会社全体でルールやコード体系を定め、それに基づいて質の良いデータを集めていく必要があります。
質の良いデータの条件としては、以下の点が挙げられます。
- 適切な頻度で更新されている最新のデータ
- 精度が高い
- 裏付けが取れており、信頼できる
- 欲しい情報が適切に含まれている
データの質が悪ければ予測分析の精度も下がります。質の良いデータを集めた後も、その質が落ちないようにきちんと更新/管理できるよう仕組みを整えるとよいでしょう。
C. 適切なソフトウェア
予測分析を行うにあたり、最適なソフトウェアはユーザーのスキルや分析したいデータによって異なります。Aを踏まえたうえで、どのようなツールであればユーザーが使いやすいか、またツール管理者の負担が軽減できるかも考えて製品を選定するとよいでしょう。
Excel2016には「予測シート」というデータの今後の推移をグラフ上で予測する機能があるので、予測分析を気軽に試してみたい方はこちらを使ってみてはいかがでしょうか。
D. 予測分析のスキルを持つ人材
Cに加え、Cでは分析できない高度な分析を行えるようにするためにも、予測分析スキルを持つ人がいるとよいでしょう。
具体的に予測分析スキルを書き出してみると、以下のようなものが挙げられます。
- ITに関する知識/技術(データベース/データの高速処理/プログラミングなど)
- ビジネスに関する知識/経験(業界/事業/ビジネスモデル/市場状況/トレンドなど)
- 統計解析に関する知識(データ分析処理手法)
上記に加え分析結果を分かりやすく視覚化し、知識が十分ではない相手にも伝えられる技術があるとなおよいです。ちなみにデータサイエンティストはこれらのスキルを兼ね備えていると考えられます。
3. 終わりに
いかがだったでしょうか。
今回予測分析について調べていて「予測分析は雑多なデータから思いもしなかった予測を導くような魔法のツールではなく、あくまで今後の施策を考えるための判断材料」だと感じました。
お客様の話を伺うと、新型コロナウイルスで予測が立てにくいからこそ予測分析に興味があるというお客様がいる一方で、予測が立てにくいからこそ売上などの結果を踏まえて経営方針を決めていくというお客様もいるようです。
予測がしにくい昨今の状況ですが、様々な可能性を想定してこの局面を乗り越えていければと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。