はじめに
2019年4月1日に新元号「令和」の発表がありました。平成も残りわずかとなり、一つの時代が終わりを迎えようとしています。
平成の時代ではIT技術は格段に進歩し、世の中の生活を変えました。世の中にはデータが溢れ、「ビッグデータ」、「IoT」、「RPA」といったキーワードも生まれました。
次の令和時代はどんな進化を遂げていくのでしょうか。全く想像がつきませんね。
今回は令和に元号が変わることで企業のデータ活用業務にどんな影響があるのか簡単にまとめてみたいと思います。
目次
- 今回の改元の特徴
- データ活用における改元の影響
今回の改元の特徴
今回の改元で昭和から平成に改元された時と大きく異なるのは生前退位であることです。2019年4月1日に新元号が発表され、実際の施行は2019年5月1日からとなり、1か月間の猶予があります。
昭和から平成に変わった際は対応する時間がなく、ハードコーディングで対応したという例もあったと聞きます。今回は前回対応したハードコーディングが残っている場合でもそれに倣わず、改修、テストを行う多少なりの時間が存在します。
また今回の改元はGWの最中に施行されます。連休明けに新元号の対応をしたシステムが本格的に稼働し、たまっていた処理を一気に実行した場合、想定しないことが起こる可能性はゼロではありません。連休明けを戦々恐々と迎えようとしているシステム担当の方も多いのかもしれません。
データ活用における改元の影響
では具体的に、改元によってデータ活用業務にどのような影響が出て、どのような対応が必要となるのでしょうか。
通常、日付データは和暦でデータベースに蓄積することはなく、ほとんどの場合は西暦のデータで管理しています。しかしデータ活用をする上で、データを西暦ではなく、和暦で表示したり和暦を条件としてデータを絞り込んだりするケースが存在します。
以下に改元の影響と対応方法について記します。
1.日付情報登録時に新元号「令和」を入力できない (インプット)
これは生年月日や売上日等、日付情報を登録する際に、日付を和暦で選択する入力画面を有するケースです。和暦を選択する入力画面を持つシステムは対応が必要となります。
<対応方法1>「令和」を選択できるように変更する
<対応方法2> 和暦での選択を廃止し、西暦での選択に変更する
2.帳票作成時に新元号「令和」が表示されない(アウトプット)
【西暦を和暦への変換しているケース】
日付が和暦で記されている帳票は多くあると思います。これらの帳票を出力するシステムでは内部的にデータベースから西暦の日付データを取得して和暦データに変換する処理が存在します。改元により、この処理に対して改修が必要となります。
<対応方法1> 西暦→和暦へ変換する処理を変更する
<対応方法2> 和暦での表示を廃止し、西暦での表示に変更する
【データの絞り込み条件として和暦を使用しているケース】
これはデータベースからデータを抽出する際の絞り込み条件として和暦を指定し、特定データから帳票を作成しているケースです。例えば平成31年4月分のデータを抽出する場合は条件として指定したところを、5月からは令和元年5月分のデータを抽出するという条件に変更する必要があります。
<対応方法1> 絞り込み条件を「令和」に変更する
<対応方法2> 和暦での条件指定を西暦での指定に変更する
2については帳票作成の効率化の為に、処理を自動化しているケースも多いと思います。2019年5月1日以降に実行された処理が気付いた時には平成で表示されていたというようなことがないように注意が必要です。
最後に
今回は改元によるデータ活用業務への影響についてまとめてみました。今後も昭和100年問題(2025年)、消費税10%へ増税等、システム界で懸念される事項は残っています。今回の改元で対応した内容はしっかりとまとめて今後に生かせるようにしておきましょう。
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