はじめに
皆様、こんにちは。ブログ担当の足立です。
この記事ではGoogle Analytics(以下、GA) のデータをBIツールで分析する方法や効果、注意点等をお伝えしていきたいと思います。
Vol.4は「Cookieによるデータ収集の将来について」です。
Google Analyticsを含めたマーケティングツールの登場により、Cookieを用いてユーザーの閲覧データ(訪問履歴や閲覧したURL等)を収集している企業は非常に多いのではないでしょうか。
その根本の技術となっている「Cookie」についてですが、個人情報保護法の観点から今後法改正と共に改修が必須となる可能性が高くなってきました。
今回は、そんな「Cookie」についてお伝えします。
1.Cookie情報は個人情報にあたる?
まず、Cookieって何…?という方は、以下のページを見てみてください。
【 IT用語辞典 Cookie 】
http://e-words.jp/w/Cookie.html
Cookieにより、個人のオンラインの行動履歴を把握することが可能です。 メリットとしては、Cookieによって行動履歴を把握し、将来的な購買予測や行動に即した広告表示ができる点が挙げられます。
昨今のWebマーケティングにおいて、非常に重要な技術なのですが、一方で個人情報という側面で大きな話題となっています。
まず前提として、個人情報の定義は「個人が特定できるもの」となります。ですので、「Cookieはオンラインの行動履歴が分かるだけで、個人の特定はできない」というのが大筋の見解でした。
ここで考えてみて欲しいのですが、オンラインの履歴を他人に見られていると想像してみると、皆さんどうでしょうか…?いくら個人が特定されないといっても、Cookieを使えば自分の趣味や活動状況をトラッキングすることができるのです。
たとえ本人は特定されないとしてもあまりいい気分はしない、という人もいるのではないでしょうか。
2.海外におけるCookieの扱い
上記を踏まえ、既にEUにおける個人情報保護ルールであるGDPRでは、個人の氏名等を知ることができない場合であってもCookieを個人情報に該当するものとして扱っています。
またEUのプライバシーポリシーでは、ターゲティングを目的としたCookieによるデータ取得等についてユーザーの同意を得ることを要求しています。
ですので、Webサイトのプライバシーポリシー上で「Cookie技術を使って情報集めてますよ」だけではダメで、サイトを訪れた際にCookie情報を取得して良いかどうか、ということをユーザーに確認して同意を取ることが必要になっているのです。
3.今後の日本の流れについて
実はこの流れが日本でも顕著に出てきています。
政府の個人情報保護委員会は2019年11月25日に、個人情報保護法の次期改正に向け、Cookieなどの利用でデータの提供先企業が個人情報を扱う場合について、新たな規律を検討すると公表しました。
2020年1月からの通常国会に提出する法改正案の内容を年内に示す方針とのことで、恐らくGDPRに沿った形になっていくのではないでしょうか。
法改正の引き金には社会の流れが多分に関わっているとは思いますが、システム部門やマーケティング部門は、こういった社会情勢を敏感に察知して早目に手を打っていく必要があります。
4.今後主流になるユーザー・トラッキングの手法について
もともとCookieによるユーザー・トラッキングには限界がありました。それは、同一人物が使っていても端末が異なると別人物として扱ってしまう、という点です。Cookieは端末上のブラウザに残る情報なので、例えば会社のPC上での行動履歴と、帰りの電車でスマホを操作している情報は別人物として扱われてしまう訳です。
これらの解決策として、最近はサイトを訪れるユーザーに会員登録してもらい、その会員IDをキーとしてトラッキングする手法に変わりつつあります。これであれば本人の同意の上で扱うことができますし、何よりデバイスを選ばない、という利点がでてきます。
ただしこれを実現するには、ユーザー登録してもらう、という非常に高いハードルがあります。企業のWebサイトも、ユーザーが登録してくれるような魅力的なサイトにしていく必要がある時代が近づいている、つまりWeb事業に更に力を入れていく必要が更に出てきていると言えます。
単純に美しいサイトを作るだけの技術ではなく、そのサイトにユーザー登録してくれる様な設計ができるコンサル的なWebデザイナーが重宝される時代になるかもしれませんね。
5.まとめ
今回の記事を書いてみて感じたのが、スマホの登場でBtoBとBtoCの垣根が徐々に無くなっていっている様な感覚になりました。
今後もこういった新しい技術が産まれて、その後で法整備が行われる、という流れが色々と出てきそうですが、少なくてもCookieについては一度社内で扱いを検討した方が良さそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。