前回のおさらい
前回の記事ではデータ・マネタイゼーションとその種類について掲載し、そもそもデータを利用した収益化の方法にはどういったものがあるのか…といった内容についてお話しました。
昨今、上記の様なデータ・マネタイゼーションの中でも特に注目を集めているのがデータドリブン経営です。今回はデータドリブン経営を推進するメリットや課題をまとめていきたいと思います。
データドリブンって本当に必要?
そもそもデータドリブンとは何か?という疑問については下記の記事でデータ活用と比較しつつ詳しく記載しておりますので、そちらをご確認ください。
それでは何故データドリブンという考え方が昨今必要になっているのでしょうか。それは昨今の社会情勢まら企業として以下の様な改善・改革が求められているためと言われています。
- 見えていない情報を明らかにして次の戦略を考える
- 見えていない部分を理解して企業を改善していく
- データから今まで実施していなかった取り組みをして売上を上げる
現在上記の様な短期的な戦略から中・長期的な戦略を含めて、データドリブン経営による企業の改革事例が世の中に多く公開されています。データドリブンは既に企業を改革し存続させていくための有効な戦略となっています。
またこれらの事例に触れた多くの経営者がデータドリブン経営の重要性を知った結果、自社でも実現できないか検討を開始している状況ではないか…と推測できます。今後更にデータドリブンの実現を目指す企業が増えて来るのではないでしょうか。
もう少し詳しくデータドリブンのメリットを掘り下げると、データドリブンのメリットは大きく以下の4つになります。
- 勘に頼らない判断(属人化の防止)
- 現場での最速・最適な判断
- 物差しがはっきりしているため、社内の意思統一がしやすい
- 顧客が気付いていないインサイト(知見)を得ることが可能
1~3に共通して言えることは、判断の基準をデータによって明確にするというものです。業務上必要になってくる判断をデータという共通の認識のもとで実施していくことで判断の確率を高め、メンバーの同意のもと進めていくことが可能になります。
4については少し毛色が異なっており、今まで気付かなかった様なインサイトを得ることで新しい商品の開発やサービスのヒントを得る、といったことを表しています。
データドリブンを目指す上での課題とは?
これだけ聞くとすぐにでも取り掛かりたいデータドリブンですが、進める上で以下の様な課題が出てくることが多い様です。
扱うデータの種類が多い、また扱えるデータ量を増やしたい
今までの様な自社内で生成されたデータ(ファーストデータ)だけでなく、オープンデータやSNSデータ、IoTから出たセンサーデータなど様々なデータを扱う必要が出てきているため、どういったデータを扱うべきか様々な知識が必要となっています。また膨大なデータをどの様に蓄積していくかも合わせて検討する必要が出てきています。
データがサイロ化されており、データの統合が困難
サイロ化とはデータが組織的に分断されている状況を表します。皆様もご経験があるかもしれませんが、例えばある営業部では顧客コードが「0」から始まっている 5桁 のコードになっていますが、マーケティング組織では「0」が取られた状態で管理されている、といった様な状況です。
サイロ化されているとデータとしては同じ意味なのに別の情報として管理されてしまうため、部やチーム、または前者を跨いだ横串しでのデータ活用が困難な状況になります。
収集したデータを活用する人材の不足
これも大きな課題となりますが、集めたデータを有効活用する人材が不足していると言われています。データを有効活用するには単純にデータを分析するだけでなく、業務そのものを理解して改革を提案・推進できる人材が必要になります。
こういった課題を解決するために登場したのがデータサイエンティストと言われていますが、データサイエンティストはサイロ化されているデータの整備に追われて力を発揮できない状態であることが多いとお聞きします。またデータサイエンティストの大部分は業務に精通している訳ではないため、データサイエンティストの出した結果と業務を結びつけられる人材が必要となります。
データサイエンティストについては以前記事にしたことがありますのでよろしかったら読んでみてください。
データドリブンは今後どうなる?
今回の記事ではデータドリブンのメリットと課題を中心に記載しました。データドリブンを実現するためには越えねばならない多くの障害が存在しますが、一方で実現に向けた様々なソリューションが既に展開されています。次回はデータドリブンを実現するための具体的なソリューションを紹介したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ以下の記事もご覧いただけますと幸いです。