KYC/eKYCって何の略?
KYC は、
Know Your Customer
の略で、「顧客の身元をちゃんと確認しましょう」という意味になります。
eKYCは、
eKYC ⇒ Electronic Know Your Customer
なので、KYC を「電子的に」おこなうということになります。
KYC/eKYC が求められるサービスって何?
基本的には法律で定められているものになるので、法律を中心に見ていくとよくわかると思います。
1.犯罪収益移転防止法
こちらは、銀行口座などが犯罪に利用されないよう、厳格な本人確認を求めている法律となります。
対象は主に金融サービスとなります。
2. 古物営業法
盗品の売買などを防止するための法律で、以前は質屋がメインでしたが、いまは皆さんもよく利用される、「○○○オフ」などのリサイクルショップがメインとなっています。
3. 携帯電話不正利用防止法
その名の通り、携帯電話を販売する際、必要となる本人確認を定めた法律です。
法律で定められているものはこれらの業務・サービスですが、現代社会においてはどのサービスが犯罪に利用されるか予測することはできませんので、BtoCのサービスで個人情報を扱ったり、個々人がサービス上でつながることができるようなサービスにおいては、KYC/eKYC の必要性を検討したほうがよいでしょう。
eKYC の e って具体的にはどうやるの?
eKYC という言葉が出てきたのは2018年頃です。
それまでは、免許証などの本人確認書類の写しを受け取り、そこに記載されている住所宛に「本人限定受取郵便」を送ることで、『厳格な』本人確認としていました。
ですが、インターネットが普及し、様々な手続きがオンライン化されていく中、本人確認だけは面倒臭く、かつ時間も掛かるとなると、ビジネスのボトルネックになるということで、見直され、登場したのが「eKYC」です。
こちらが 2018年11月 の「犯罪収益移転防止法」改正により可能となった、オンラインでの本人確認方法です。
このときに注目され、今も主流となっているのが 1. の方法です。
QRコード決済サービスの本人確認でやったことがあるという方も多いかと思いますが、これは「本人の画像」と「本人確認書類の画像」を撮影してもらい、それを送信してもらうことで「本人確認」をおこなうというものです。
ポイントとしては、「本人の画像」を撮影する際、写真を使ったなりすましを防ぐ為に、本人確認アプリ側から『笑ってください』とか『横を向いてください』といった指示が出されるので、それに従い、撮影する必要があります。
また、本人確認書類に細工がされていないことを確認するために、『厚み』などが確認できるよう、免許証を傾けた状態で撮影したりします。
もっと簡単な eKYC ってないの?
オンラインで完結するようになったとはいえ、撮影しなければならないというのは利用者側の負担になります。
もっと簡単に完結に実現できる eKYC はないのか。。。
あります! それは「マイナンバーカード」による本人確認です。
正確には、「マイナンバーカード」に搭載されている『電子証明書』による本人確認です!
こちらは、三菱UFJ銀行様の住宅ローンで採用されている方式で、本人確認の機能については弊社で担当させていただきました。
「マイナンバーカード」の弱点は『普及率』ですが、これから国の施策でどんどん普及していくことは間違いないでしょう。
2020年4月の「犯罪収益移転防止法」改正について
実は、今年の4月にも「犯罪収益移転防止法」が改正されています。
ポイントは2つ。
1.「本人限定受取郵便」での本人確認書類は顔写真付きに限る
2.「本人確認書類の写し」で確認する場合は2種類必要
ということで、どんどん KYC の方法が厳格化されています。
サービスを提供する側は、そういった中で、より短時間で、完結に、手間を掛けずに、かつ確実に本人確認をおこなう方法がどれなのかを検討する必要があるでしょう。