2019年5月28(火)に開催された、『「2025年の崖」に立ち向かう』というイベントに参加してきました。
経済産業省が後援となっていて、2018年9月に経済産業省が発表した DXレポート に記載されている「2025年の崖」にどう立ち向かうか?という観点のプログラムが用意されていました。
「2025年の崖」って何?
経済産業省:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
2018年9月に経済産業省が発表した DXレポート に記載されているワードで、2025年くらいにはレガシーシステムが老朽化し、かつ、それを運用できる人材も不足するため、既存システムを維持するためのコストが膨れ上がり、DX(デジタルトランスフォーメーション)に予算や人材を投資できず、国際的に見て、企業の競争力が激減する危険性があるという注意喚起を促すために経済産業省が考えた造語です。
とはいえ、日本のレガシーシステムは、
・ベンダー依存が強く
・カスタマイズにより独自性が強く
・ウォーターフォール型開発によりリリースサイクルが長い
といった問題点を抱えており、容易にシステムのリプレイスができる状況ではありません。
今のところは何とか運用しているシステムも、何もしないままでいると、2025年くらいにはこういった課題、問題点により、DX に舵を切り直すことができない状況になってしまうと、経済産業省は警告しています。
「2025年の崖」にどう立ち向かえばいいのか?
では、「2025年の崖」にどう立ち向かえばいいのか?
まずは、企業の経営陣が危機的状況であるという認識をもつことが重要で、そのために、経済産業省では、「DX推進指標」というチェックリストを策定しているところで、このチェックリストを使って、各企業が現在位置を把握してもらい、何から始めればよいかというのを確認してほしいとおっしゃっていました。
次に実行するにあたり、DX推進の組織を立ち上げ、スケジュールや実行プロセスの検討を進める必要があります。
これも現在、経済産業省のほうで、ガイドラインを策定中とのことなので、こちらを参考に進めていけるかと思います。
あとは、DX の推進に必要な人材の育成もあわせて行う必要があります。
現在、保守・運用を担当している人材をできるだけ新しい技術の開発現場に投入していくことが重要であるとおっしゃっていました。
まずは小さく始める
全社的に DX を推進していくというのは時間もコストも膨大にかかるので、全体計画の策定は必要ですが、段階的にアプローチしていくことが重要です。
その際、手軽に始められるからといって『効率化』を目的としたシステム改修を実施するというのは DX 推進の近道にはなりません。
DX の先には、今までになかった価値が生まれ、そこに新しい業務が発生していくものです。
『効率化』では、いままでのものをより良くする “だけ” に過ぎません。
そのためにも、
①現行システムの調査
②新技術の適用可能領域の検討
の両輪で進めていく必要があります。
②については、AI、IoT、ブロックチェーン など、注目されている技術を自分たちの業務でどこに適用できるのか?どう活用できるのか?という検討が必要です。
そのためには、「業務を知っている人」と「技術で何ができるかを知っている人」が一緒に取り組む必要があります。
弊社では、お客様と一緒に ②新技術の適用可能領域の検討 を推進させていただいておりますので、ご要望がありましたら、ご連絡ください。
おわりに
このイベントでは、メインフレームでアジャイル開発っぽいことに取り組んでいるという事例の紹介がありました。
DX というのは、必ずしも今あるものを捨てるという選択をしなければいけないという訳ではなく、いまある資産(データなど)は活用して、全く新しい価値を生み出し、提供するというものですので、
「ネガティブ」ではなく「ポジティブ」な取り組みとして推進していただくのがよいかと思います。
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