政府が2016年9月に設置した「働き方改革実現推進室」によって、多くの企業が働き方改革に取り組んでいます。企業が目指すべき働き方改革の大部分は所謂「生産性向上」であり、いかに少ない労働人数で最適な成果を得られるか、というのが課題となっています。
今回は、この働き方改革にBIがどう貢献できるのか、といった部分をお届け致します。
この記事の対象者
- BIツール導入を検討しており、情報収集をしている方
- 会社から働き方改革を実現しろと言われて困ってる方
目次
- 少子高齢化による労働力減少と企業の取り組み
- BIで実現する「働き方改革」とは
- まとめ
1.少子高齢化による労働力減少とその取り組み
下記は、内閣府が発表している日本の将来人口推計です。
この様に日本の人口は減少の一途を辿っています。人口の減少は実際の働き手となる労働力人口の低下に直結する、つまりこのままだと日本の国力の低下は避けられません。
内閣はこういった労働力不足に対して、出生率を上げる、今働いていない層に働いてもらう、といった単純に働き手を増やす、といった対応策を実施しています。ですが日本は根本的に労働生産性が低いというのも大きな問題となっており(主要7カ国の中で最下位)、この労働生産性の向上も大きなテーマとなっています。
大分前置きが長くなってしまいましたが、企業が目指すべき働き方改革として考えるべき最も重要なことが「労働生産性の向上」であり、また社会的にもその取り組みが求められているのが現状です。
2.BIで実現する「働き方改革」とは
それでは、BIはそういった労働の生産性向上に役立てることができるのでしょうか。この問いに関しては、BIツールベンダーとして明確に「YES」と答えることが可能です。そもそもBIは、データを有効活用して企業の売上向上や業務効率を改善するために登場した背景があります。よって、働き方改革という言葉が登場する以前から、働き方(業務)を効率化するシステムとして存在していた訳です。そこでBIで実現できる事を改めて並べて、その後どの様な働き方改革に繋がるのかを記載していきたいと思います。
~レポーティング を活用した生産性向上~
レポーティングの最大の特長は、グラフによる視覚共有を多人数で容易にできる点にあります。BIツールにはデータをグラフィカルに表現する事に長けているツールが多く、今までのデータ共有と比較してより美しく洗練されたレポートを簡単に作ることができます。共有がスムーズに進めば会議やレポート作成にかかる時間を減らし、別の生産行為に当てることができるため、生産性向上に大きく役立たせることが可能です。
~レポーティング活用例~
ある飲料メーカーが、自動販売機の売上情報を営業間で共有し、設置場所の検討や補充ルートの検討を行っていました。その際、以前は担当者が点在しているデータベースから売上データをExcelファイルに手作業で集計し、それをメールで各営業に送付する、という行為を行っていました。手作業なので当然ミスも多く、点在しているデータも多かったため、集計レポートを作成するまで半日以上かかってしまうケースもあったそうです。
BIツール導入後、データの集計処理をBIツールで実施することでミスも無くなり、時間も僅か30分程で終了する作業になりました。また、アウトプットもExcelファイルではなくブラウザ上で見るグラフィカルなレポートに変更したことで、共有が簡単に実施できるようになったことは勿論、データを利用した客観的な分析が出来るようになったそうです。
~データ抽出 を活用した生産性向上~
皆様も日々の業務で様々なデータを様々な形式で入力していませんか?そういったデータはシステム上のデータベースに蓄積されるのが一般的です。業務ではそれらのデータを抽出してレポートを作成したり、報告資料に用いたりと様々なデータ抽出の要望があります。その際に、ユーザーはシステム担当者に連絡して情報を抽出して貰うか、元のシステムが持つ機能でデータを取得しているのが現状ですが、やはりユーザーの多種多様なニーズに応えるのは難しく、システム担当者も手が回らない、という課題を多くお聞きします。こういった場合、BIツールを導入して目的のデータに到達する手順や手間を軽減することで、業務効率を飛躍的にアップさせることが可能です。
~データ抽出活用例~
ある物流会社は、顧客に配送した実績や支払明細といった情報を業務システムの一機能を利用して取り出していました。しかし顧客からのニーズは多岐に渡るため、それらを満たすにはシステムからではなく担当者が直接データベースにアクセスしてファイル化し、そこから必要なデータに加工した上で顧客に提供していました。こういった作業が非常に手間で多くの時間を費やしていたのですが、システムを改修して対応するには莫大な改修費用が必要となるケースが非常に多いのが一般的です。
こういった課題を背景にBIツールを導入した結果、データベースへのアクセスがGUI化され、非常に簡単に必要なデータを抽出することができる様になりました。またデータの加工もツール上で条件を指定することで最小限にすることができたため、多種多様な顧客のニーズを満たす明細情報を素早く作ることができるようになったそうです。
3.まとめ
この様に、日々の業務にBIを取り入れることで様々な働き方改革を行っている企業が昨今非常に増えています。またこういったBIの実現にはBIツールが欠かせません。お客様が抱えている課題は様々であり、またBIツールもそれぞれ様々な特長を持っているので、適切なBIツールを選択するには調査が必要ですが、普段お付き合いされているSIベンダーやWebでの情報収集を行って是非BIツールを検討してみてください。余談ですが、現在ではセルフサービスBIという言葉も登場を始め、もっとビジネスユーザー側でデータを活用して業務を変えていこうという動きも活性化しています。こちらはまた別の機会にご紹介させていただければと思います。
ちなみに弊社が開発しているBIツール「Excellent」「WebQuery」は、
- 日々のデータ集計作業を定型化して作業を簡便化できる
- 蓄積されたデータから、ユーザーが欲しいデータを抽出することができる
といった先程の例で言いますと、データ抽出でお悩みのお客様に非常に効果的なツールとなっています。宜しければ下記より詳細をご確認ください。
以上