はじめに
「モダナイゼーション」
このワードを聞いてピンとくる方はまだ少ないかもしれません。略してモダナイと呼ばれることもある、このワード、現在IT業界では少しホットなキーワードになりつつあります。
今回はモダナイゼーションについてお話させていただきます。
目次
- モダナイゼーションとは
- モダナイゼーションの手法
- レガシーシステムのリスク
モダナイゼーションとは
モダナイゼーション(Modernization)、これをそのまま訳すと「近代化」となります。IT業界では「レガシーシステムのモダナイゼーション」というような使われ方をします。
レガシー(legacy)、これをそのまま訳すと「遺産」となります。繋げると「遺産システムの近代化」、簡単に言ってしまえば「長い間使っている古いシステムを新しい技術に置き換えること」という意味になります。
レガシーシステムとはメインフレームを利用したシステムを指すことも多く、メインフレームを中心に稼働している基幹システムの刷新をイメージするとわかりやすいかもしれません。
モダナイゼーション自体は今、初めて注目されたものではありません。2000年代初め、オープン化対応の波で、多くの企業がレガシーシステムを刷新しました。その後、団塊の世代の大量退職に伴い、メインフレームへの人材不足が発生した2007年頃、このタイミングでモダナイゼーションを実施した企業も多いと言われています。
モダナイゼーションの手法
モダナイゼーションはいつくかの手法が存在しますが、ここでは下記3つについて記載します。
- リライト
機能はそのままに、古い言語で書かれたプログラムを新しい言語を使ったソースコードに置き換えます。COBOLからJavaへの変更等がこれに当たります。 - リビルド
仕様・言語から見直し、一からシステムを再構築します。時間と費用が最もかかる手法です。 - リプレース
既存のパッケージやスクラッチ開発を行ったツールを新しいパッケージに置き換えます。既存の機能をカバーしきれず、カスタマイズが必要なケースが出てくることがあります。
上記以外にもモダナイゼーションの手法は存在します。また大きなシステムではいくつかの手法を組み合わせてモダナイゼーションを実施することもあります。要件を明確にして適切な手法を選択することが重要になります。
レガシーシステムのリスク
ここではレガシーシステムのリスクを挙げてみます。社内のシステム部門から以下のような声が出てきている場合はモダナイゼーションを検討したほうがいいでしょう。
【属人性が高い保守】
「あのシステムの○○の部分はAさんしかわからない。ドキュメントもない為、ソースコードを追うしかないのだが、COBOLに触れたことがないし…。Aさんもあと何年かで定年退職を控えているし、今後どうしよう…」
【サポート切れによる運用リスク 】
「今使っているパッケージは来年EOSを迎えるそうだ。長年使い続けて安定稼働しているからサポートが切れた後にも使いたいのだが…新しいパッケージにする為の予算もないし、最悪サポートがない状態でしばらく使い続けるしかないかも…」
【他アプリケーションとの連携が困難】
「新しいアプリケーションを導入したいが△△の部分のバージョンが古すぎてアプリケーション側で動作の保証ができないそうだ。△△をバージョンアップすると□□との連携ができなくなるし…どうしよう…」
上記はほんの一例で、各企業によってリスクは様々です。基幹システム全体をモダナイゼーションするとしたら費用・期間ともに莫大なものになります。「まだうちは大丈夫」と考えているシステム部門の方も、早めにリスクの洗い出しを行っておいて損はないと思われます。
最後に
今回はモダナイゼーションについてお話させていただきました。
安定したシステムを手放すことはリスクになりますが、古いシステムを持ち続けることがさらに大きなリスクになり得ます。モダナイゼーションはいつどのタイミングで行うのか、その決断をするのが、1番難しいことなのかもしれません。現在、2025年の崖というキーワードの元、レガシーシステムからの脱却が叫ばれ始めました。新たなモダナイゼーションブームの波はすぐそこまで来ています。
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