分析はほどほどに…!? サッカーとデータ分析

はじめに

現在、スポーツにおいてデータの活用、分析は必須となっています。それはサッカーにおいても例外ではありません。スポーツに関するWebサイトでもデータについて書いてある記事をよく見かけます。今回は「サッカーとデータ分析」について考えてみます。

どんなデータを取っている?

一般のサッカーファンがWebサイトでよく見かけるデータとしては各選手の「走行距離」「スプリント数」「シュートの成功率」「パスの成功率」「タックルの成功率」などがあります。これらのデータを見ると「この選手はたくさん走る」「この選手はシュートが上手」「この選手はパスが上手」など、データがなくても何となく試合を見ているとわかるような情報を数値化しています。

これらのデータをもう少しよく見ると「この選手はスプリント数が多い試合はパスの成功率が悪いので、疲れが見えてきたら早めに交代したほうがよい」「この選手はタックルの成功率が高いから、ドリブルが得意な選手のマークにあてるとよい」など、具体的な対策に当てはめることができます。 データ分析の目的は自らの強み/弱みを明らかにして最適な戦術をとるために行うものであると考えられます。

データ通りにいかない要素

データを分析したとしてもサッカーには不確定な要素もあります。

【 精神状態 】
サッカーは格闘技と言われるほど、激しい局面があるスポーツです。相手との競り合いの中でラフプレーを受けて頭に血が上り、平常心を失うこともあります。平常心が失われることで普段のプレーができなくなり、データ通りの成功数や成功率を発揮できないこともあり得ます。

【 身体能力 】
いくら分析をしてもいざ試合が始まれば、まず目の前の相手に勝つことが必要になります。対峙する相手がドリブルやシュートがうまいとわかっていても、相手の実際の強さや速さは戦ってみないとわかりません。データ上ではわかっていても対応できないという局面は多く出てくるものです。

【 天候による影響 】
サッカーは基本的に天候に関係なく試合が実施されます。雨の日、風が強い日など、天候条件によってはデータをもとに立てた作戦が全く役に立たないケースが出てきます。

サッカーは番狂わせが多いスポーツと言われています。それだけ不確定要素が多く、上述したこと以外にも多くの不確定要素があると考えられます。

今後重要になってくるのは…

不確定要素を少なくするため、今後ますます、さまざまな切り口でデータ分析、数値化が行われていくことでしょう。作戦や戦術はより緻密なものになり、作戦遂行のために選手は型にはめられた技術や身体を求められるようになるかもしれません。悪く言うと、選手が将棋やチェスの駒のようになっていくイメージも湧いてきてしまいます…(おそらくそこまでデータに依存するようにはならないと思いますが…データ分析はほどほどに…というのが個人な思いです)

今後多くの分析がされていく中で、以下の点がより重要になってくるように思います。

  • 監督を始め、チームを束ねる首脳陣の力量(データの活用方法、目的を判断する)
  • 試合中の各選手のアドリブ力(データ通りにならなかった場合の対応力)

おわりに

データの重要性が高まる反面、その場のひらめきや直観の重要さにフォーカスが当たってもいいのでは、とも感じます。サッカーはエンターテイメントですので、選手がみなデータ分析をもとに、作戦通りに動くだけでは、物足りなさを感じるかもしれません。

今年は東京オリンピックが開催される予定です。データ分析を上回る、観ている側の期待を超えるような、思いもよらないプレーを期待したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。